文字電話 TEGAcky

1999年3月1日に 東芝文字電話 TEGAcky を入手し、1999年12月24日に解約しました。 Nネットサービス で送料と消費税込で 3,980円でした。 1999年3月1日入手とは覚えやすい。 あと4ヶ月で人類は滅ぶので今のうちにセッセッと使っておこう。(ノストラダムスの予言)

大きさは掌にスッポリ隠れてしまうサイズです。 サイズは 85W x 55H x 16Dで重さは81gの小型で軽い軽い。 本当によくこれだけ機能が詰められたなぁ〜と感心します。 無線の送受信,モデム,コンピュータ,液晶,タッチパネル,DA・AD変換器などの機能がギッシリ詰まっているのです。

DDIポケットでは「文字電話サービス」を1999年2月18日から始めました。 このサービスはメール専門のサービスで音声通話はできません。 文字電話専用の端末にてメール送受信します。 文字電話対応端末として東芝からは「 TEGAcky(テガッキー) 」,玩具メーカのトミーからは「 手描きPipi 」が1999年2月18日より発売されました。 どちらも同じもので東芝が製造しています。

TEGAckyで扱えるメールの種類は以下の通りです。
  1. 「Eメール」を送受信するには「PメールDXセンタ」を経由します。 すなわち、「PメールDXセンタ」がメールのコード変換をやってくれるメール専門プロバイダの役目をします。 Niftyのパソコン通信からインターネットへのメール送受信するようなものです。 「PメールDXセンタ」は全国共通のアクセス番号(電話番号)で全国一律・昼夜関係なく10円/30秒の課金単位です。 30秒もあればメール10通程度は読めますので、常に1回10円のイメージで使えます。 こう考えるとこの料金は「電話代+プロダイダ代」になるので安いと思います。 1日にメール送受信を2回やったとして1ヶ月600円です。 基本料金980円はインターネットプロダイダ代だと考えれば妥当と思います。 合計月1,600円程度で、これで電話代も入っているのでリーズナブルです。

  2. 「PメールDX」は1,000文字までの英数カナ漢字の文字をPメールDX対応端末間でメール交換します。 通常はDDIポケット電話網を使って端末間で直接メール交換します。 リアルタイムにメールが直接届きます。 この場合、10秒以内で通信が終われば全国一律10円です。 10秒を超えると大変です。 距離に応じた通常課金となります。 「PメールDX」を「PメールDXセンタ」経由にすることも可能です。 この場合メール送信者へは「PメールDXセンタ」へのメール蓄積接続料、メール受信者へは「PメールDXセンタ」からメールを読み出す接続料がかかります。 この場合、当然ながらリアルタイムにメールは届きません。

  3. 「Pメール」は20文字までの英数カナの文字をPメール対応端末間でメール交換します。 これ以外はPメールDXと同じ内容です。

  4. 「PメールDXセンタ」には1端末あたり1MBのメール蓄積容量が確保されます。 メールがEメールなのかPメールDX(Pメールも含む)なのかの判断は、送先「TO」が「Eメールアドレス」なのか「PHS電話番号」なのかで判断されるようです。

  5. TEGAckyではPメールDX(Eメールを含む。)メール内容を内部のメモリに蓄積しておけます。 最大1,000件まで管理する機能がありますが、メモリ容量が約160KBと思われ、実際に1,000件までメールを保持できないと思います。 メモリ使用量は簡単な目盛で表示されるので分かりやすいです。 メモリが一杯になると古いメールより自動的に削除されていくので、自分で消去などの管理はせずに放置しておけば良いと思います。 どうしても消したくないメールは保護属性を持たせると自動的には消されません。

  6. TEGAckyから「PメールDXセンタ」の設定を変更することができます。 できることは以下です。 なお、これらの機能を有効にしても費用はかからないそうです。(ポケットサービスセンタに確認しました。) 例えば「メール転送」機能を有効にしても1通10円とかの費用はかからないと言っていました。


  7. 「αメール」は実体がどんなものなのか謎めいています。 取扱説明書によると「α5対応端末間でメール交換が可能で、20文字までの英数カナ文字が送受信できる。」と読み取れます。 メール交換できる端末は電話網に接続された端末なのです。 PメールはPHS間ですが、これをDDI電話網全体に広げたものが「αメール」みたいです。 端末としてはPHSは当然として「ファックス」「コードレス電話」「ポケベル」などのようです。 私の予想ですが、これらの端末のLCD表示部にαメールが表示されるのだと思います。

  8. 「ポケベルへのメール」はTEGAckyから20文字までの英数カナ文字がポケベルに送信できます。 コード変換はTEGAckyがやってくれます。

  9. 「手描メール」は手描メール対応端末間で手描き画像イメージが送受信できます。 画像イメージの実体は、96x43ドットで白黒イメージのBMPファイルなので、Eメールでパソコンに送ると添付ファイルになるので、これをグラフィックソフトで見ることもできます。 パソコンからTEGAckyへの送信もでき、添付ファイルを白黒BMPファイルとすれば(ファイル名は何でも良い。)、それがTEGAckyで表示できます。 最大192x130ドットまでの画像サイズを交換できます。 ただし、TEGAckyでストレスなしで見ようとしたら96x43ドット以内が良いです。 パソコンからTEGAckyへ192x130ドットで96x43ドットのイメージを6枚分いっぺんに送れますが、「X-PmailDX-Info: DIV6」というのがマルチパートヘッダに入っていないとダメです。

  10. メール機能として、他に次の機能をサポートしています。 この他に「日時指定メール」「情報サービス」がありますが省略します。


  11. 気になる料金の情報です。
    <加入時の費用>
    ・契約事務手数料 2,700円
    
    <月額基本使用料>
    ・ベツベツメールコース   980円
    ・コミコミメールコース 1,780円
    
    ベツベツとコミコミの違いは、コミコミでは月 1,000円分の通信料が含まれていますが、ベツベツではこの通信料が含まれていないだけです。 ベツベツとコミコミの値段の差は 800円なので、800円余分に払うと 1,000円分通信ができますよということらしいです。 でもこの程度の差しかなく、月に 1,000円分使わないなくても 800円は戻ってきません。 私の感覚ではベツベツが良いと思います。 なお複数割引対象なので、1台持っているPHSの追加として契約すると、実質的に580円(ベツベツ)の月額料金になります。 これは非常に安いという感覚です。
    <通信料>
    ・Eメールの送受信 10円/30秒(全国一律)
    ・PメールとPメールDXの直接通信 10円/回(全国一律,ただし10秒以内)
    ・ポケベルへの送信 10円/回(全国一律,ただし10秒以内)
    ・情報サービス(コンテンツサービス)
      3〜17時 12円/分(全国一律)
     17〜翌3時 15円/分(全国一律)
    
    私の感覚では全国一律の割には安いと思います。

  12. 「TEGAcky発売記念のプレミアム応募ハガキ」が付いていました。 プレミアム品の「専用ケース」「ネックストラップ」「リング付きストラップ」のいずれか1点もらえます。(1999年5月31日まで。)


TEGAckyを実際に使って評価してみました。
  1. 感度はよても良いです。 MC−01と比較すると1.5〜2倍高いと思います。 アンテナを立てたほうが電波を受信しやすいようです。

  2. 電波を待ち受けしている時間であるウェイティング時の表示キャラクタは「キャラ表示なし」「デジタル時計キャラ」「電界強度キャラ」を選択できます。 3月3日には雛祭りの動くアニメーションが表示されました。 見ていて楽しい。

  3. 月日・曜日・時刻が表示されるので時計として使えます。 アラーム設定もできるので目覚時計にもなります。 これって結構いけてます。 旅行で目覚時計代わりに持っていけます。

  4. ピカブル(圏内,接続中,新着メール)はTEGAckyの左上のLEDの色(緑/赤/橙)と点滅で教えてくれる機能です。 振動もサポートしています。 おそらく、他人に知らせることなくメールを交換する時(カンニング?)に使うのだと思います。

  5. 文字入力方式は手書認識ではなく、まず母音を選んでから子音を選んでいく方式です。 私の好みとしては手書認識より良いと思います。

  6. アドレス帳にはEメールアドレスや住所,誕生日,血液型,フェースキャラ(ニコニコ顔,普通顔,怒り顔)まで入力できるので便利です。

  7. アドレス帳を除くと唯一のPIMである「スケジュール機能」があります。 「今週+先週+来週から4週間」の6週間分のスケジュールが登録できます。 1日あたり1件しか登録できません。あまりあてにしている機能ではないので、私にはこれで十分です。

  8. ベストコネクト機能は便利です。 ベストコネクトには2つの機能があります。 その1つは、一番電波の強い基地局をサーチする機能です。 もう1つは、電話かけて話中だった場合にベストコネクトすると自動リダイヤルを3秒間隔でやってくれる機能です。 どちらもコネクト動作には違いないのです。

  9. データ通信はPIAFSの強力なエラー訂正機能で、アンテナバーが1本でも出ていれば十分安定に通信できます。

  10. TEGAckyは文字電話なので音声通話ができません。 このため、月額基本料を980円と安く設定しているのだと思います。 TEGAckyには裏側にスピーカが付いているので音声を聞くだけなら可能です。 (音量が大きくて音も良いです。ダイナミックスピーカか???) 「天気予報」「時刻」「音声情報サービス」「JR列車予約」など一方的に聞くだけのものであれば大丈夫です。 スピーカ音も結構大きくできる。(マイクがないのでハウリングしないので???) しかし、よく考えてみると「JR列車予約」は途中の操作でピッポッパッのDTM信号をTEGAckyから送っているのです。 この信号はアナログなので、TEGAckyにもA/Dコンバータがあるとしか考えられません。 ひょっとしたらマイクアンプも搭載されているのかもしれません。 簡単な改造で音声通話できるようになる可能性あります。

  11. アンテナの付近に怪しいフタがあってこれを外すとαデータ32のコネクタが現れます。 ひょっとしたらαデータの無線モデムとして使えるかもしれません。

  12. メニュー選択は通常のタッチペンによる方法とシーソースイッチ(左側にあって上下にロータリー、そしてプッシュもできるツマミ)による方法があります。 シーソースイッチを使うと片手でも操作可能です。

  13. 電話番号は「070-5552-1619」でした。 文字電話なのでここには音声電話はかけられません。 一般電話やPHSなどからTEGAckyに音声通話をしようとしてダイヤリングすると、「お客様がおかけになった電話番号には、お客様と通信のできる機器が接続されていないか、または、故障中と思われます。」とISDN機器特有のメッセージが返ってきます。

  14. さっそく文字電話用のメールアドレスを取得しました。 これはTEGAckyからPDXセンタに接続して行います。 メールアドレスは「hkita@pdx.ne.jp」となりました。

  15. TEGAckyには「ユーザ登録」というメニューがあります。 ここには「リアルネーム」「メールアドレス」などを登録できるようになっています。 ここの登録が発信するメールにどのように反映されるかテストしてみました。
    > From: hkita@pdx.ne.jp
    > To: hirokun@kaze.com
    > Subject: てすと
    
    結果は以上のように、「ユーザ登録」をどういじろうと「リアルネーム」「メールアドレス」は「From」には反映されないようです。 残念。

  16. アニバーサリー設定ができます。 特別の日、例えば「結婚記念日」「誕生日」など忘れてはいけない日にイラストとメッセージが表示されます。

  17. 考えたのだけれど、私のような「主として文字電話をインターネットメール送受信に使う。」と考えている人はバッテリ持続時間の「連続待ち受け時間」なんて関係ないのでは。 メール送受信の時だけ電源ONするので、この時間は無限と同じようなものです。
     →きっとそうだ!!!

  18. TEGAckyを入手して、またまたNiftyを解約しました。 Niftyの月1,200円より文字電話の980円(私の場合、複数割引効果で580円となります。)のほうが価値があります。 (Niftyはモービルでのメール送受信に使っていました。TEGAckyでEメール送受信できるようになると不要になります。)

  19. PDXサポートソフトを公開している奇特な方 がいらっしゃいます。


TEGAckyを評価しましたが、かなり実用的に使えることを実感しました。 Eメール交換のモービル運用のために、「PHSか携帯電話」「PCカード」「接続ケーブル」「ノートパソコン」をいつも携帯するのは大袈裟で体力も必要とします。 これが今や81gのTEGAckyで実現するのです。 私もここまで到達するのに、いろいろ携帯機器を変遷してきましたが、やっと、本命に出会えたという感激でいっぱいです。

TEGAckyは発売から1週間で 10,000台売れたそうです。 PHSでは久々の大ヒットです。

皆さんにも文字電話採用をお奨めします。