HITACHI CS-DP60S

1996年10月12日にパーフェクTV!受信セット「HITACHI CS-DP60S」を入手しました。

ワイフより「パーフェクTVって何?」と言う質問を受けました。 以下のように説明しました。
  1. テレビ番組70チャンネル以上,ラジオ番組100チャンネル以上。
  2. PPV(ペイ・パー・ビュー)で好きな映画を300円〜でリアルタイムに購入できる。 電話回線を通じての双方向通信で実現。
  3. 好きな番組を好きなだけ契約できる。
  4. 無料放送はテレビ番組10チャンネル,ラジオ番組2チャンネル。
  5. 仮契約でPPVを除く全放送が2週間見られる。この間にどれを契約するか決められる。
  6. 年内はPPVが半額。その他が無料。
  7. 加入料2800円,毎月の料金は基本料金290円+契約した番組料金。
  8. 放送は全てデジタルのためパラボラアンテナが小さくて済むので、40〜45cmで手軽。
ワイフには特に2,5,6が分かり易かったようです。ワイフの方から「あなたは設置できるの?」と聞かれ、「もちろん。こっちはプロの無線技術士ですよ。」と答えたところ、「早速買いに行こう。」となりました。


<購入>

近くの上新電機で
「日立のIRDとアンテナのセットを下さい。」
「日立のなら在庫1台ありますよ。」
「SONYのは?」
「すでに完売で予約すれば1ヶ月で入るかもしれません。」
「日立のでお願いします。」
  IRD:CS−DP60 (オペレーションパネル表示あり,光デジタル出力付き)
アンテナ:A−DP45   (コンバータ雑音指数 0.7dB)
  付属品:リモコン,パーフェクカード,電話モジュラケーブル10m,電話モジュラ
          分配器,Sコード,映像音声コード,単3電池
以上で54,800円でした。クレジットカードの年末一括払いにしました。


<設置>
  1. すでに取り付けてあるアマチュア無線のHF用L型ダイポールのポールにパラボラを取り付けました。 日立のセットで他に必要なものは同軸ケーブルだけでした。 パラボラを設置するのは初めてです。
  2. IRDの受信レベルをワイフに読み上げてもらいながら、方位角,仰角,偏波角を合わせました。 パラボラは非常に指向性が強いようで、この3つの値が合ってきたころより急激に受信レベルが上がります。 日立のIRDの最高の100のレベルにできました。 デジタル放送なので70以上あれば全くノイズなしに画面が出ます。 夜、雨が降りましたが、これでも90のレベルでした。 調整自体は簡単で30分もあれば終わります。

写真を左から説明します。 「パラボラアンテナを下から見上げたところ。」 「パラボラアンテナの背面です。」 「同軸ケーブルはこのようにエアコンの穴から入れました。」 「一番上の装置がIRDです。」


<ともかく視聴してみました>
  1. 予想は「仮契約をしないと無料チャンネルを含めて全チャンネルが写らない」でしたが、ハズレで、無料チャンネル全部と本来有料の放送の一部が写りました。 CSN1という映画チャンネルで「イーストウッドの魔女たち」をやっていました。 音楽放送ではJ−WAVEも聞けました。
  2. 100〜505チャンネルもあるので選択するのが大変です。チャンネル表がないと辛い。
  3. 面白い機能として、番組表を2週間先まで表示,例えば映画だったらその映画のプロフィールを表示することができます。 番組表をリモコンで選択するだけでチャンネルを切り替えたり、番組予約することができます。

<仮契約>

このパーフェクTVは予想を上回る申込者が殺到しているとニュース報道がありました。
  1. このままいくと、チューナの生産が間に合わず、年内の供給量が全然足らないようです。
  2. 仮契約をするため、カスタマーセンタに電話しましたが、電話がBUSYで全然つながらない。 2時間かけっぱなしでやっとつながりました。 現在、申込者殺到しているそうです。
  3. 仮契約完了の通知は、パーフェクTVカスタマーセンターより私のIRDまで衛星通信でIRDのパフェクTVカード(ICカード)に契約情報が入ります。 同時に仮契約完了のメールがIRDに入ります。
  4. 10月12日にパーフェクTVカスタマーセンターに電話して仮契約して10月13日より全チャンネルが見られるようになりました。 IRDを操作すると契約状況が確認できます。 確認してみると、なんと「11月2日まで契約」となっていました。 無料視聴期間は公式には2週間ですが、私の場合、丸3週間のようです。
  5. 11月1日に、何気なく契約状況を確認してみたら、契約を申し込んだチャンネルの契約期限がなんと、「2030年12月31日」となっていました。 パーフェクTVは2000年対応しているようです。それとも、狂って2030年になってしまったのかしら???

<視聴>
  1. 番組をいっぱい見ることができるので、きっと好みのチャンネルがあると思います。 我々の場合は洋画しか興味がありませんので、
    ・311チャンネルのパワームービー(1,600円/月)
    ・312チャンネルのCSN1 ( 300円/月)
    で映画三昧をしてみました。
  2. パワームービーのほうは、比較的新しい映画が流れます。また、画質もかなりきれいです。 広告は入りません。
  3. CSN1は値段が300円/月とすごく安いのですが、「イーストウッドの魔女たち」「ワン・モア・チャンス」など少し懐かしいがマトモなハリウッド映画が楽しめます。 深夜はH番組みたいです。 安いだけあって、30分に一度くらい広告が入ります。 でも、十分楽しめました。 実用的にはこのチャンネルを契約しておいて、最新映画はPPV(ペイ・パー・ビュー)で300円〜/本払ったほうが良いように思います。 PPVでは複数のチャンネルを使って1時間ごとに時間をずらして全く同じ放送をやっていますから、いつでも好きな映画が1時間以内に見ることができます。 レンタルビデオを借りに行くのと返しに行くのが面倒なので、我々の意見は「家に居ながらレンタルする感覚で使える。」です。

<画質のチェック>

全体的な画質は、MPEG2圧縮方式を使っているため、画像が大きく変化す る時はチラチラとするような感じがします。いい意味でも悪い意味でもデジタ ルらしい画質です。画質についてじっくりチェックしてみました。
  1. MPEG2のデジタル画像なので、完璧に調整されたBS(アナログ)と比較すると、BSのほうが若干良いと思います。 しかし、完璧と言うのはありえない話なので、平均的な見方をするとパーフェクTVのほうが優れています。 デジタルなので伝送系の劣化はないので、ほぼ放送局と同質の画質が得られていると思います。
  2. 放送局側の送り出し素材の質がはっきり画質に現れます。10年以上前の映画素材では画質が荒くて甘い。 1996年公開の映画素材だと非常にクッキリした解像度の高い画質です。 あんまりきれいな画面なので、内容よりもその画質にウットリしてしまいます。
  3. レンタルビデオよりはるかに良い画質です。 CATVと比べても、CATVでは全体的に画質が甘いのですがパーフェクTVではそんなことはありません。 一番良く判るのは、映画の最後で出演者などのクレジットが流れますが、レンタルビデオ,CATVではその文字が潰れてよく読めません。 ところがパーフェクTVではかなりクッキリしているので読み取りできます。

<音質のチェック>

パーフェクTVの音質についてチェックしてみました。 日立のIRDにはデジタルオーディオ光出力が付いています。 (現在のところ、日立以外のIRDには付いていないようです。)
  1. パーフェクTVの音声送り出しサンプリングレートはいくらか?
    32/44.1/48KHzのサンプリングをデコードできるDATとIRDを接続してチェックしました。 テレビ&ラジオ番組全てが48KHzのサンプリングレートでした。デジタル・エア・チェックするにはDATを使ったほう良いようです。 安物のMDデッキではサンプリング周波数変換機能がないので、デジタル録音できません。
  2. デジタル出力信号にデジタル録音をプロテクトするデータは入っていないようです。
  3. 200,201チャンネルで番組案内をやっていますが、これのBGMが結構音質が良かったです。
  4. 505チャンネルでJ−WAVE(地上ではFM放送となっています。)を放送しており、これは無料チャンネルです。 ところが音質はFM放送をはるかにしのぐものでした。 (音のダイナミックさと歪みの少なさ。) 48KHzサンプリングだから当たり前か...。
  5. デジタル音声のサンプリング・レートが48KHzということで、久々に(20年以上ぶり)エアチェックしてみる気になりました。
70チャンネル以上のテレビが見られて、100チャンネル以上のデジタル音声放送が聞けて、しかも音質は衛生デジタル音楽放送クオリティとなると、 既存のWOWOW(2000円/月),大阪ユウセン放送(6000円/月),CATV(3500円/月・程度),衛星デジタル音楽放送(1番組600円/月)などは淘汰されてしまうのではないでしょうか。 オーディオが趣味の人も48KHzサンプリングのPCM放送ですので、FMチューナー代わりに契約も良いのではないかと思います。 100チャンネル分契約しても1200円/月ですから大阪ユウセン(音質はFM放送クオリティ)と契約するより、ずっと良いと思います。


<IRD背面の端子に何があるか?>

ここで、日立のIRDのCS−DP60をAV的に紹介します。
  1. CSアンテナ入力端子
  2. パソコンと接続するデータ出力端子(RS−232C?)
  3. 光デジタル音声出力端子
  4. 映像・音声入力端子(S映像入力付き)
  5. 映像・音声出力1端子(S映像出力付き)(テレビにつなぐ)
  6. 映像・音声出力2端子(S映像出力付き)(ビデオなどにつなぐ)
  7. 電話接続端子
  8. アース端子
  9. AC100V電源プラグ
日立以外のIRDには上の端子のうち、3と4がありません。(SONY,松下など全て) 以上より、現時点では日立のIRDが一番AVマニア受けする機能となっています。 デザインが現在売られているIRDの中では一番良いと思います。 また、一般に見落としがちなのですが、日立のIRDには予約機能があります。 SONYのIRDには予約機能がありません。この機能がないと予約録画しようとする時に困ってしまいます。 SONYのIRDでは24時間IRDの電源をONしておくしか方法がありません。

1997年からパーフェクTVでデータ放送が始まるようです。 これでIRDの背面に付いているデータ出力端子を何に使うか、判ってきました。

(日経PC21より)
利用の仕組みは、まず、ユーザーがパソコンにつながった地上回線を介してインターネットに接続し、そこから希望の情報を提供しているインフォメーション・プロバイダーのホームページにアクセスする。 プロバイダーは、アクセスしてきたユーザーが要求するデータを、データ放送サービスを実施しているデジタル衛星放送事業者のサーバーに送る。 そこにいったん蓄積されたデータは、衛星回線経由で配信される。 ユーザーは、配信されたデータをパソコンの記憶装置(ハードディスクなど)に蓄積し、繰り返し利用できる。


<情報>
  1. スカイデジタル(20チャンネル)とJ・SKY・BのチャンネルがパフェクTVでも見られることがほぼ決まりました。 よって来春以降にテレビ放送110チャンネルになります。

  2. 1996年11月13日の朝日新聞に とありました。

    BSからWOWOWが消えてなくなるのも近いと思います。 どう考えても70チャンネル以上の放送が見られるパーフェクTVに対して、BSのWOWOW+NHK陣営は勝てるはずがありません。 それとBSの場合、BSアンテナを立てた時点で、WOWOW(2000円/月)だけを契約したいと思っても、自動的にNHK(930円/月)と契約させられる仕組みとなっており、NH Kを見ない人にとっては、アンフェアとなっています。 この辺もあって、WOWOWからパーフェクTVに乗り換える人が増えると思います。 「NHKもスクランブルをかけて、見たい人とだけ契約できる仕組みにしろ。」と言う声が多いと聞きます。

  3. 誰かから、パーフェクTVの番組表が入手できないか??との質問がありましたね。
    やっと見つけました。
    毎月25日発売の「サテライトマガジン」サテライトマガジン社,¥400で番組表が掲載されています。 しかし、この雑誌は一般書店では売っていません。CS放送機器販売店で売っています。 次の所で売っています。

    <日立>
    フレンド社:日立市鹿島町1−6−6 (0294-22-6211)

    <東京>
    九十九電機5号店:秋葉原 (03-3251-0531)
    九十九電機万世橋店:秋葉原 (03-3251-2441)
    万世書店:秋葉原ラジオセンター (03-3255-0605)

    興味あるかたどうぞ見て下さい。